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トランス脂肪酸とは?摂り過ぎに注意!

 ヒトが生きていく上で必要な成分には三大栄養素として、炭水化物、タンパク質、脂質が、さらにビタミン、ミネラルを加え5大栄養素があります。この内、脂質はトリアシルグリセロールという油脂がほとんどで、グリセリンと脂肪酸が結びついたものです[1]。
 脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。専門的には、炭素の二重結合が無いのが飽和脂肪酸で、あるのが不飽和脂肪酸です。そして、いわゆる中性脂肪とは3つの脂肪酸がグリセリンと結合したトリアシルグリセロールになります[2]。アメリカ心臓協会 (AHA: American Heart Association) は、脂質は全カロリーの25~35%までとして大部分を一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸にし、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を含む食物は摂らないよう勧告しています[3],[4]。ところが、飽和脂肪酸は心臓疾患の原因とはならない、という研究結果が発表されました[5].
 元々、飽和脂肪酸が体に良くないとした起源は、ミネソタ大学Ancel Benjamin Keys博士が1950年代に、飽和脂肪酸はコレステロール値を上げるため心臓疾患の原因となるという説を主張したのが始まりとされています[6]。この結果、脂肪酸よりも炭水化物や植物油を多く摂る食生活になりました。飽和脂肪酸を減らす食生活は、善玉コレステロールを減らし心臓疾患のリスクが増加するのです[6]。
 一方,不飽和脂肪酸はどうなのでしょうか。
 不飽和脂肪酸とは、化学的には水素の二重結合があるものと定義されます。
 この二重結合というのは、化学的に不安定な状態で凝固点が低い(低い温度で液体となる)特徴があります。植物油は不飽和脂肪酸であるリノール酸等の不飽和脂肪酸が多いため、室温でも固まりません[7]。この不飽和脂肪酸には、炭素の二重結合のまわりの構造により、シス型とトランス型とに分けられます。このトランス脂肪酸が、問題となっているのです。
 トランス脂肪酸は、牛乳や牛肉、羊肉など天然に含まれるものと、工業的に作られるものがあります。加工食品に使われるトランス脂肪酸は工業的に作られたものが使われますが、この表示義務が無いことが問題視されているのです。
 内閣府消費者委員会は,トランス脂肪酸の食品への表示義務化を検討しています.この検討は消費者庁でも行われていて,「表示義務の必要は無い」との判断がされています.米国では,トランス脂肪酸の食品への表示が義務化されています.既にみんなが好きなチキンナゲットとフライドポテトの中味<http://mountainforever.blog.fc2.com/blog-entry-5.html>で書きましたが,トランス脂肪酸は,フライドポテト等に使われていますがプラスチック油とも言われ,悪玉コレステロール増加・動脈硬化・心臓疾患・ガン・アレルギー等の原因となります.米国食品医薬品局 (FDA: Food and Drug Administration) では,使用禁止とする規制強化案を出しています[8].世界保健機関 (WHO: World Health Organization) では,トランス脂肪酸の摂取量の目安を
   (1日の総エネルギー摂取量)×1%以下
と勧告しています[9].成人男性の1日のエネルギー摂取量が1,800~2,200Kcalと言われています[10]ので,2,000Kcalなら20Kcalとなり,脂肪は約2.22gとなります.もちろん,この量以下であれば安全か,というとそうではなく,必須栄養素ではないトランス脂肪酸は摂取量ゼロが望ましいのです[11].日本人のトランス脂肪酸摂取量は少ないので健康への影響は小さいと考えられ,消費者庁では表示義務の必要なし,と判断しました.しかし,消費者委員会食品ワーキンググループ委員のJA全欧食品品質・表示管理部部長 立石氏は,「若者は多く摂取しており,問題.日本動脈硬化学会も表示を求める声明を出している.国として,きちんとリスク管理 (リスクを減らす作業) する必要がある」と主張しています[12],[13].
 昔と違って、様々な食品に添加物が使われる様になっています。こうした売られている食品だけでなく、お惣菜やレストランでの食材などにも表示をしていただきたいと思うようになってきました。
 気にしていたら何も食べられない、という向きもありますが、常食とならないよう、できるだけ気を付けていきたいものです。
 また参考までに、[14] (原文[15]) の記事も面白いです。

[1] 食品表示課: "脂質と脂肪酸のはなし", 消費者庁, 2012-9, http://www.caa.go.jp/foods/pdf/100910_3.pdf.
[2] 農林水産省: "すぐにわかるトランス脂肪酸", トランス脂肪酸に関する情報, 2012-3-12, http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/.
[3]wikipedia: "脂肪酸", http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8.
[4] Alice H. Lichtenstein, et al.: "Diet and Lifestyle Recommendations Revision 2006 - A Scientific Statement From the American Heart Association", 2006-6-19,
Nutrition Committee, http://circ.ahajournals.org/content/114/1/82.full.pdf+html.
[5] Rajiv Chowdhury, et al.: "Association of Dietary, Circulating, and Supplement Fatty Acids With Coronary Risk: A Systematic Review and Meta-analysis", Annals of Internal Medicine, 160(6), pp.398-406, 2014-3-18, http://annals.org/article.aspx?articleid=1846638&resultClick=3, (viewed 2014-5-10).
[6] Nina Teicholz: "飽和脂肪酸「悪玉論」のウソ―過小摂取に思わぬリスクも", The Wall Street Journal日本, 2014-5-7, http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304555804579546852248520032.html.
[7] 日本水産株式会社: "飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸", おいしさを科学する 油脂, http://www.nissui.co.jp/academy/taste/15/02.html.
[8] 安全情報部: "【FDA】FDA は加工食品のトランス脂肪をさらに削減するために対応", 食品安全情報(化学物質), 国立医薬品食品衛生研究所, No.23/2013, 2013-11-13, http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2013/foodinfo201323c.pdf.
[9] 農林水産省: "トランス脂肪酸に関するWHOの最新の科学的知見", トランス脂肪酸について国際的に行われている取り組み, 2012-6-26, http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kokusai/index.html#update.
[10] 摂取カロリー・消費カロリー大辞典: "成人の摂取カロリー", http://muuum.com/calorie/1010.html.
[11] : "米国で禁止のトランス脂肪酸 国内ワーストマーガリンは日本生協連、ファストフードのワーストはマクドナルド", MyNewsJapan, 2013-12-2, http://www.mynewsjapan.com/reports/1935.
[12] 食品表示部会食品ワーキング・グループ: "【資料2-1】立石委員提出資料(1)(第3回栄養表示に関する調査会参考資料)”, 内閣府, 2014-4-22, http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/other/meeting4/doc/140422_shiryou2-2.pdf.
[13] 平沢裕子: "トランス脂肪酸 消費者委、表示義務化を再検討", msn産経ニュース, 2014-5-8, http://sankei.jp.msn.com/life/news/140508/trd14050807570005-n1.htm.
[14] lifehacker. "「脂肪や炭水化物で太る」は本当?:健康神話を検証する(1)", 2013-11-2, http://www.lifehacker.jp/2013/11/131102health_myths.html.
[15] lifehacker. "10 Health Myths That Just Won't Die, Debunked by Science". 2013-10-14. http://lifehacker.com/10-health-myths-that-just-wont-die-debunked-by-scienc-1443659706.
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浅漬けキムチから発癌物質...だけではないようです

既に、韓国産キムチから大腸菌や寄生虫卵が見つかり、中国へは輸出不可能という事態になりました。これには裏事情がある様で、そもそも2005年に韓国に輸入された中国産キムチから寄生虫卵が見つかり、韓国当局は中国へ検査を義務付けました。中国は、逆に韓国産キムチを調べたところ大腸菌や寄生虫卵を大量に検出されました。このため中国当局は、「キムチ100gあたりの大腸菌数を30個以内」という制限を設けました。この締め付けは年々厳しくなり、韓国では安い中国産キムチ (約70円/Kg) が市場に出回り、逆に韓国産キムチ (約300円/Kg) が中国へ輸出できなくなる事態となりました。今や、中国がキムチ生産量世界一といって過言ではないでしょう[1]。中国だけでなく、アメリカ、フランス、カナダで問題視され有毒食品への指定や購入禁止令が出る等したようです。
キムチは発酵食品です。発酵が進み乳酸菌が増えると旨味が増します。それと同時に、大腸菌等は殺菌され、安全度が増す食品だそうです。様々な菌がないと発酵しないため、韓国ではキムチを作る際に手を洗ったり野菜を洗ったりしない場合もあるそうです。
食べ頃にするために、浅漬け状態のキムチが韓国から輸出されるわけですが、当然ながら発酵が進んでいないために大腸菌がウヨウヨ、となるわけです。寄生虫卵については、発酵が進んだからといって死滅するわけではないと思いますから、こちらは別問題と思われます。
さらに大きな問題があります。
ネットでも騒がれましたが、韓国でのキムチ工場で作業員がキムチに唾を吐いている姿が動画や写真で流れました。たまたま、だと良いのですが、韓国では気に入らない客に唾を吐いたものを出すこともあるそうです。
http://blog-imgs-57-origin.fc2.com/l/i/f/lifezero2ch/1737.jpg
さすがに、上記の写真は捏造かもしれません。民主党政権時に韓国産キムチが「輸入食品等事前確認制度」に登録され、衛生検査が3年間免除されたというものです。これは2011年6月1日のことですから、3年を過ぎていますが現状については分かりません。他国での対応からも、日本については自衛するしかないと思います。
また小林らの調査[3]では、日本人は浅漬けのキムチを好み、発酵が十分でないものやキムチの製法とは異なるキムチ風漬物が市場に流通していて、特に夏季に糞便系大腸菌が多く検出されたと報告しています。大腸菌が見つかった製品の (国内の) 工場では、塩漬けの製造工程が常温で行われており温度管理の不備が原因ではないかと推測しています。
この様に、日本人は浅漬けキムチを好む傾向があるようですが、前述の通り浅漬けだとキムチの発酵が十分ではなく、有害菌が繁殖している可能性が高いのです。
それだけではありません。
キムチは、漬ける際に亜硝酸ナトリウムという発癌性物質が発生するのです。漬けてから1~3日は亜硝酸ナトリウムが最も多く発生し、安全域になるには15日は必要とのことです[2]。中国農業大学食品安全学部副教授 範志紅氏によれば、「漬ける期間が短く不衛生な環境では基準を超える亜硝酸ナトリウムが発生しやすい」と指摘しています。

[1] 近兼拓史: "中国キムチに追いやられ世界一の座を奪われた韓国キムチが辛酸をなめている!", 週プレNews, 2014-8-22, http://news.livedoor.com/article/detail/9171226/.
[2] Record China: "韓国のキムチ、浅漬けは危険=「条件次第では発がん性物質が発生」―中国専門家", 2014-10-23, http://www.recordchina.co.jp/a96203.html.
[3] 小林,濱田(佐藤),日佐: "キムチ製造における微生物汚染状況調査の事例報告", 日本フードシステム学会, 2012年度日本フードシステム学会大会, 2012-6-16, https://www.fsraj.org/taikai/2012/2012houkoku/?action=common_download_main&upload_id=241.
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糖質オフが流行っているようですが...

サッポロ「極ゼロ」が第3のビール (新ジャンル) ではないと国税庁から指摘を受け[1]、発泡酒に切り替えて再発売し話題となりヒットしたことは記憶に新しいと思います。ビール、発泡酒、第3のビールは、麦芽の使用率と使用している原料で定義されます。ビールは麦芽使用量が原料の2/3以上のもの、発泡酒は2/3未満のもの、麦芽を用いず穀類等を原材料としたものが第3のビールとなります。蒸留酒 (リキュール) やスピリッツを用いた第4のビールというものもあります。
酒税は350mlで、ビール77円、発泡酒46.99円、第3のビール28円となります。これに小売価格 (ビール218円、発泡酒145円、第3のビール125円) が加わり、さらに消費税がかかる二重課税となっています。
さて、話を戻しましょう。「極ゼロ」のヒットで各社が糖質オフ、プリン体オフの発泡酒をこぞって発売しました。サッポロ「極ゼロ」、キリン「淡麗プラチナダブル」、アサヒ「スーパーゼロ」、サントリー「おいしいZERO」です。健康志向ブームに乗っかった形ですが、実はプリン体を減らせばコクや旨味が無くなり、ビール本来の味わいから遠ざかります。そもそも、ビールに含まれるプリン体の量はさほどではなく、それよりもツマミ等の食べ物の方が圧倒的にプリン体の量が多いのです。つまり、プリン体がゼロだからだといって、この様な発泡酒をたくさん飲みアルコール摂取量が増え、さらにツマミは高カロリー、高プリン体のままでは、逆効果なのです。
糖質オフはどうでしょうか。
糖質オフ (ダイエット) には、狭義と広義と2つがあるそうです。狭義は穀類以外を制限する糖質オフ、広義は主に穀類を制限する糖質オフです。
ヒトは、脂肪酸とブドウ糖、ケトン体を燃焼しエネルギーとしています。このケトン体は、肝臓で脂肪酸が作られる際に出てくるものです。つまり、ブドウ糖が無くても生きていけることになります。しかし、糖質を制限するとアミノ酸やたんぱく質が減少し、筋肉が減っていくそうです。筋肉が減れば基礎代謝が減ってしまい、リバウンドしやすい体質になるそうです[2]。
また肝臓はアルコールを分解する臓器ですが、アルコールの分解にはブドウ糖が必要です。糖質制限することでエネルギーとなる脂肪酸やケトン体を作り出さねばならず、さらにアルコールの分解に必要なブドウ糖が不足している状態では、アルコールの代謝が落ちてしまい肝臓に負荷がかかってしまいます。つまり、飲酒の前や飲酒中には糖質を補給しておくことが大切なのです。
また、たんぱく質制限も問題ありです。たんぱく質は、体内でアミノ酸に分解され臓器、筋肉、皮膚等になります。アミノ酸は前述の通り、筋肉を作るのに必要な成分であり、たんぱく質を制限してしまうと筋肉が減ってしまい代謝が悪くなってしまいます[3]。

[1] 朝日新聞DIGITAL: "極ZERO、国税指摘で発泡酒に 追加酒税116億円も", 朝日新聞, 2014-6-4, http://www.asahi.com/articles/ASG645HZLG64ULFA01S.html.
[2] 西園寺克: ”リバウンド体質になる? 危険な糖質オフダイエット”, All About, 2013-5-1, http://allabout.co.jp/gm/gc/416345/.
[3] 田中真希: "ダイエットで減らした体重、脂肪じゃなくて筋肉かも・・・?!", cookpad, 2014-10-20, http://cookpad.com/articles/2987.
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一緒に食べる人は選ぶべき?!

私にとっては、ちょっとショッキングな研究報告です。
南イリノイ大学 (South Illinois Univ.) のM. Shimizu氏、コーネル大学 (Cornell Univ.) のK. Johnson氏とB. Wansink氏との論文が発表されました[1]。こちらの論文は有料のため、コーネル大学の研究紹介[2]とWeb記事[3]からの紹介になります。
彼らは、被験者82名を4つのグループに分け、以下の実験を行いました。

(1) サラダを多め、パスタ少なめの食事をとったスタイルの良い女優と一緒に食事をとる。
(2) サラダ少なめ、パスタ多めの食事をとったスタイルの良い女優と一緒に食事をとる。
(3) サラダを多め、パスタ少なめの食事をとった約23kg太って見えるようにした上記女優と一緒に食事をとる。
(4) サラダを少なめ、パスタ多めの食事をとった約23kg太って見えるようにした上記女優と一緒に食事をとる。

つまり、(1)のグループはスタイルが良くヘルシーな食事をとった女性、(2)のグループはスタイルが良くヘルシーではない食事をとった女性、(3)のグループはスタイルが太めでヘルシーな食事を摂った女性、(4)のグループはスタイルが太めでヘルシーではない食事をとった女性と、それぞれ一緒に食事をとった場合、同伴する人がサラダとパスタとをどの様な割合でとるかを観察したわけです。
結果は、
・太った人と食事をすると、パスタの量が31.6%増えた:(2)~(4)のケース
・太った人と食事をすると、サラダの摂取量が43.5%減少した:(3)~(4)のケース
というものでした。

考えていれば、太っている人はバイキングで多くの量をとりがちです。
それを見て、周囲も多めにとってしまうことは、ありがちなことではないでしょうか。
彼らは、バイキングで予め自分が食べる量を見定め、何を食べるか決めておくことが大切としています。
私にとっては、とても難しいことです。

[1] M.Shimizu, K.Johnson, B.Wansink: "In good company. The effect of an eating companion's appearance on food intake", Appetite, vol.83, pp.263-268, 12-1-2014, http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0195666314004450.
[2] Katherine Baildon: "The Larger Your Friends the Larger Your Appetite", The Fat Suit Study, Cornell University Food and Brand Lab, http://foodpsychology.cornell.edu/op/the_fat_suit_study.
[3] Patrick Allan: "Your Fellow Diners' Appearance May Influence How Much You Eat", Lifehacker, 10-3-2014, http://lifehacker.com/your-fellow-diners-appearance-may-influence-how-much-yo-1642192935.

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スィーツは疲れをとるのか

MY LOHASに面白い記事がありました。
良く、頭を使って疲れた時には糖分を摂るのが良い、と言われます。特にブドウ糖が良いとして、勧める意見が見られます。その理由として、脳が栄養としているのは糖分と脂質で、外部から取り込むしかないため頭を使った時や使う時には、糖分を摂った方が良い、というものです。
確かに、脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖であり、120g/日というブドウ糖を消費するそうです[1]。砂糖はブドウ糖と果糖とが結合したもので吸収も早く、脳がブドウ糖を必要とする際の有効な栄養分と言えます。また吸収が早い糖分は、エネルギーとしても有効なのです。
しかしエネルギーとして体内で使うためには、ビタミンB1等のビタミンやミネラルが必要です。このビタミンB1は疲労回復にも使われていて、糖分の分解にビタミンB1が使われてしまうと、疲労回復のために回せなくなり、疲れが取れにくくなります[2]。甘いスィーツを食べることで幸せ感に満たされるのは、糖分を摂ることでノルアドレナリンと呼ぶ神経伝達物質が分泌されるからだそうです。
これではスィーツを食べて幸福感に浸り頭の疲れをとろうとしても、体の疲れが取れにくくなってしまいかねません。ビタミンB1は、豚肉や鰻、玄米、全粒粉パン、蕎麦、大豆、絹ごし豆腐、胡麻等に多く含まれています。このことから、体が疲れた時はスィーツで空腹を満たすよりも、ちゃんと食事を摂った方が良いかもしれません。
また糖分を摂ることによる血糖値の影響について言及している文献も、多く見られます。甘いものを食べると血糖値が上がりますが、急激な血糖値の上昇は逆に血糖値を下げようとインスリンを分泌するため血糖値が下がってしまい集中力が無くなるというのです[3]。また血糖値が下がると、体内のアミノ酸が減少します。このアミノ酸は、脳の神経伝達物質を作るために必要な物質であり、アミノ酸が減ると脳がマヒ状態に陥ります[4]。炭水化物も糖質と同じです。食後に眠くなるのは、糖質の上昇で脳が機能不全に陥っている状況だというのです。
文献[3]や記事[5]にもある通り、脳の疲労を回復するためには、
・ビタミンB1
 糖分の代謝を高める働きがあり、豚肉、レバー、ウナギ、玄米等に含まれる。
・カルシウム
 脳内の情報伝達を補助する働きがあり、乳製品、魚介類、豆腐、胡麻等に含まれる。
・アミノ酸
 脳の働きを活発化させる働きがあり、卵、乳製品、豆類、動物性・海洋性タンパク質に含まれる。
・ビタミンC
 脳疲労を回復させる働きがあり、ピーマン、パセリ、レモン、柿、キウイフルーツ、モロヘイヤ、イチゴ等の野菜や果物に含まれる。
といった栄養素も必要なんですね。そうなると前述の様に、バランスのとれた食事をきちんと摂ることが大切、となるわけです。
カリフォルニア大学ロサンジェルス校のF. ゴメス・ピニージャ教授の研究チームは、ラットを使った実験で、ケーキ等に使われている果糖(ショ糖や果糖コーンシロップ等)は、ヒトの記憶力や脳の活動を低下させてしまうという研究成果を発表しました[6]-[8]。専門外なので詳しくは見ていませんが、ラットに迷路のルートを記憶させる実験で、ショ糖を与えたグループとショ糖よりも6倍甘い高果糖コーンシロップを与えたグループとに分け、6週間後に迷路をどれだけ覚えているかを確認しました。その結果、高果糖コーンシロップを与えたグループは動きが遅くなり、脳の活動が低下していたそうです。この実験では、高果糖コーンシロップは脳における信号伝達に支障をきたすことを示しており、その理由としてインスリンの脳細胞への影響が著しく低下したためということが分かりました。インスリンには、思考や感情を処理するのに必要な細胞を調整する機能があるそうですが、過剰な果糖を摂ることでインスリンの力が弱まり、記憶力や脳の活動が低下したためと考えられています。これは、前述の糖分を摂りすぎるとインスリンがその分解に集中的に使われてしまうことと関係があるかもしれませんね。なお、今回の果糖はあくまで甘味料や保存料としてのものであり、果物等の天然の果糖についてではないので注意が必要です。
なお糖質や炭水化物を日常的に摂っていると、より多く摂りたくなる中毒症状を起こします。これは前述の通り糖質は脳の唯一のエネルギー源であり、白砂糖や炭水化物を摂ると脳にあるA10神経系が刺激され、ドーパミンという物質が分泌され強い快感をもたらします。この流れは、コカイン等を服用した時と全く同じだそうです[4]。このため、糖は中毒性があるわけです。
また糖だけではありませんが、糖の摂り過ぎとストレスで副腎が疲労することで疲れが取れにくくなるそうです[9]。糖分を摂り過ぎると低血糖になることは説明しました。これにより、副腎は血糖値を上昇させようとアドレナリンを分泌し続けます。またストレスで抗ストレスホルモンを分泌し、副腎に大きな負担がかかり、脳へダメージを与えるのです。
簡単な確認は、LEDではない懐中電灯を片方の目尻からあてて、もう片方の目で瞳孔が収縮するか確認します。2分ほどで瞳孔が開くようであれば副腎が疲弊している状態だそうです(詳細場文献[9]を参照)。疲れた副腎には、ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウムが良いそうです。
こうしてみると、スィーツは体の疲れをとるどころか逆の作用があり、さらに脳の働きまで悪くしているのかもしれません。
ですが、スィーツを食べることで幸福感が得られるので、つきあい方が大切なのかもしれません。
眠くなる不毛な会議や講演の前には、食べない方がよさそうです。

[1] Science@Sugar: "第1章 脳のエネルギー源", 砂糖健康学入門Ⅱ, http://www.sugar.or.jp/health2/0101.shtml.
[2] 吉川圭美: "疲れをエスカレートさせる「甘いワナ」のかわし方", MY LOHAS, 2014-9-22, http://www.mylohas.net/2014/09/040876tsukare_b1.html.
[3] 笠井奈津子: "甘いものは脳に悪い すぐに成果が出る食の新常識". 幻冬舎. 2011-9.
[4] 白澤卓二: "「糖質中毒」糖が脳をバカにする! 糖に変わる脳の栄養源「ケトン体」で脳力アップ", PHP Biz Online 衆知, PHP研究所, 2013-8-7, http://shuchi.php.co.jp/article/1559.
[5] BoroughHall: "脳疲労回復には糖分だけでは足りません". 健康診断・健康管理. カラダノート. 2013-11-7. http://karadanote.jp/10405.
[6] Claire Bates: "Does sugar make you stupid? Study suggests it sabotages learning and memory". MailOnline. 2012-5-16 (update 2012-5-17). http://www.dailymail.co.uk/health/article-2145141/Does-sugar-make-stupid-Study-suggests-sabotages-learning-memory.html.
[7] Rahul Agrawal, Fernando Gomez-Pinilla: "‘Metabolic syndrome’ in the brain: de?ciency in omega-3 fatty acid exacerbates dysfunctions in insulin receptor signalling and cognition". The Journal of Physiology. Volume 590, Issue 10, pp.2485?2499, 2012-5-15. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1113/jphysiol.2012.230078/pdf.
[8] Elaine Schmidt: "This is your brain on sugar: UCLA study shows high-fructose diet sabotages learning, memory". UCLA Newsroom. 2012-5-15. http://newsroom.ucla.edu/portal/ucla/this-is-your-brain-on-sugar-ucla-233992.aspx.
[9] 知恵子: "朝起きられない人は注意。簡単にチェックできる副腎の疲れ", MY LOHAS, 2014-10-9, http://www.mylohas.net/2014/10/041342adreno.html.
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