Mt. Forever

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

荒船山・艫岩の柵設置問題

週間ヤマケイOnline 11月14日号でも取り上げられていますが、TBS噂の東京マガジンで荒船山・艫岩の柵設置問題が取り上げられました。

荒船山は、群馬県と長野県にまたがる妙義荒船佐久高原国定公園にある標高1,423mの低山です。
ニュースでご存じの方も多いと思いますが、クレヨンしんちゃんの作者である臼井儀人氏が転落死した山です。
この荒船山には艫岩 (ともいわ) と呼ばれる高さ200mの岸壁があります。
私は登ったことがなく状況がわかりませんが、今年で展望台からの転落死が3件あり、転落防止のための柵を設置するか否かが問題になっているそうです。臼井氏の最期に撮った写真は、艫岩から下をのぞいた写真でした。

取材に同行したヤマケイスタッフによれば、台本の内容が”柵があって当然”という流れになっていてクレームを入れたそうです。それは、もっともなご意見です。
放送の中で、日本自然保護協会・横山隆一常勤理事の意見に代表されると思いますが、賛成派の意見は
・賛成派
  -今や登山は一部の人間のものだけでなく、観光気分で登山をする人も多い。
   その様な状況なので、安全確保のために柵等を設置するのは当然だ。
だと思います。取材中、多かった賛成派の意見は、
  -縁に行ったら、風に煽らせて、危険を感じた。
  -子供も登るので、危険だ。
という感じでした。
一方、反対派の意見は、
  -自然の中に柵があるのはおかしい。
  -自己責任で登るべき。
  -柵を設置したからといって、事故が減るとは限らない。
  -登山は、ケガと弁当は自分持ち。
という意見が多かったと思います。

高尾山の山頂にも柵が設置されていて、それとの比較をしていましたが、さすが群馬県です。

 ・柵を設置した場合、風雨にさらされて、かえって危険になる場合がある。
 ・柵が壊れて事故になった時の責任はどうなるのか、明確ではない。
等の意見から安易に設置はできないというものでした。

ここで、車の話になるのですが、ABS等の事故回避機能がある車と、そうでない車とで、運転者(確かタクシードライバー)の運転状況について実験した論文を読んだことがあります(出典の記憶が曖昧で示せず申し訳ありません)。
その論文では、事故回避機能があるクルマに乗ると、概ね運転が荒っぽくなり、事故を起こしやすくなる傾向が見られたそうです。
このことから柵を設置することで、柵に体を預け崖下を撮影しようとする人が増えることが十分に考えられます。
確か、神奈川にある鷹取山の柵も、結構傷んでいたような...昔の話ですが。

私が岩を始めたばかりの頃、自分の安全を確保(セルフビレイと言います)していない状況では崖の近くには行くな、と指導されました。岩をやっていても、安全が確保されていない状況では何が起こるかわからないので、必ず”自分で安全を確保(セルフビレイ)すること”が必要なんです。

日本自然保護協会・横山隆一常勤理事の意見に従えば、岩登りを観光客もするようになったら、安全確保のために何かする必要があるのでしょうか。
谷川岳一ノ倉沢や幽ノ沢(だったと思いますが)で、取り付きまでのルートを示す赤ペンキが付けられていた、という事件があったそうです。おそらく初心者のために付けられたと思いますが、そんなことをすれば、岩を知らない人も入ってきてしまう可能性もあり、大変危険です。

私は、放送中にあったインタビューの「ケガと弁当は自分持ち」という言葉が、全てを物語っていると思います。
子供が登るから危険というならば、登らせなければ良いのです。
山を始めた頃、北鎌尾根から前穂高岳へ親友と縦走した時のことです。南岳小屋での幕営で休んでいたら、小屋に電話がかかってきました。詳細はわかりませんが、大キレットを越えられるか聞いていたようです。
その時の小屋の方の対応がCool!でした。
「安全と思う人は安全ですし...そうでない人には危険だと思います」
その通りです。危険だと思うのならば、行かなければ良いですし、行かせなければ良いのです。
そんな判断もできず、行政に責任を押し付ける観光登山者や日本自然保護協会にも問題があると思います。
また登山そのものも初心者だけで登るのではなく、経験者と一緒に登るべきです。
山の基本(登り優先とか、山側に避ける、等)も知らないで登る人、また基本も教えないで道具を売るだけの山屋、不安や危険だけを煽るメディアの姿勢に疑問を感じずにいられません。

さて11月19日ですが、朝霧で有名な竹田城跡で転落事故がありました[1]。
36歳男性で、下山途中に登ってきた子供に道を譲ろうとして足を滑らせ、約2.5m下の坂道に転落し、腰骨を骨折する重傷を負った、ということです。早朝は観光客でごった返し、朝露と先週の雨で滑りやすくなっていたそうです。
これまで夏場の熱中症で病院に搬送される事例はあったそうですが、重傷事故は初めてだそうです。
この史跡こそ観光客の来るところであり、横山常勤理事の主張によれば、史跡に手すりなど転落防止の柵を道等に設置するべき、ということになります。
この様な論理は、何か間違っている気がしてなりませんが、みなさんはどうお考えでしょうか。

そう言えば、以前一ノ倉沢へクライミングへ行った帰りに、観光客のカップルがルートではないところを登ろうとして、他のパーティの人達と引き止めたことや、白馬の大雪渓でルートを外れて記念写真を撮影する観光客に注意をしたことを思い出しました。

[1] MSN. "「天空の城」で転落、重傷 兵庫・竹田城跡、36歳男性足踏み外し". 産経ニュースwest. 2013-11-19. http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/131119/waf13111910560006-n1.htm, (cited 2013-11-19).
スポンサーサイト

mountaineering | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<左利きとお酒 | ホーム | 食物繊維>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。