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形成肉の作り方

百貨店やレストランでの虚偽 (偽装?) 表示で一躍注目を浴びた成形肉ですが、調べてみると、ちょっと危険な香りがしてきました。
一連の事件では、メニュー等に表記されたものと使われていた食材とが違っていたため、虚偽表示として報道、謝罪が行われました。消費者庁のホームページにあるQ&Aには、幾つか事例が掲載されています。
例えば、牛の成形肉をビーフステーキやステーキと表示した場合、成形肉は加工食品の食肉製品で生鮮食料品の肉類ではないため、消費者にあたかも一枚肉を焼いた生鮮食料品の肉類を焼いたものと誤認識を与えるため、景品表示法第4条第1項第1号 (優良誤認) に該当し、景品表示法 (以下、景表法) 上の問題となる[1]とあります。
では上記の例で、ステーキではなく、”ビーフ"や"やわらかビーフ"、"ビーフ (やわらか加工)" と表示した場合はどうでしょうか。
単に"ビーフ"とだけ表示すると、上記の様な生鮮食料品の肉類を用いたと誤認させる可能性があるため、成形肉利用等の表示が必要としています[1]。表示があったとしても、見づらい位置にあると景表法上の問題があります。"やわらかビーフ”等の場合、同様に一枚肉を柔らかく調理したものと誤認させる可能性があるため、成形肉であることの表示が必要になります。また、牛脂等を注入加工した肉を焼いた料理を、"霜降りビーフステーキ”や”さし入りビーフステーキ”と表示することはどうでしょうか。もう、お分かりの方も多いと思いますが、牛脂等を注入加工した肉は加工食品の食肉製品であるため、景表法第4条第1項第1号 (優良誤認) に該当し問題となります。
この景表法の判断については、参照URL[2]、[3]が参考になると思います。なお、トンカツ等のお惣菜には表示義務が無いようですから、注意が必要です。

さて成形肉ですが、農林水産省畜産部長 原田 英男氏によれば、以下の様な分類と方法[4]で製造されるようです。
・食品衛生法の食肉
  (1) 食肉
鳥獣の肉と内臓。カット、スライス、ひき肉。
(2) 食肉加工品
食肉の含有率が50%以上の半製品で、タレ付き、衣付け、生ハンバーグ等。
-加工方法
(a) テンダライズ
原形保ったまま筋や繊維を刃で切断する。
(b) タンブリング
調味料に浸潤する。
(c) インジェクション
牛脂や調味液等を混合した液体 (ピックル液) を筋肉内に注入する。
(d) 結着・圧着
肉塊を結着剤で貼り合わせたり端材を練り合わせ処理する。
・その他
(3) 食肉製品
加熱調理された肉製品

今回、(2)食肉加工品が問題となったわけですが、肉を柔らかくしたり、下味を付けたりする加工であり、加工処理をしたことを食品衛生法に基づいて表示する義務があります。この表示義務は、加工処理の中で微生物汚染が起きる可能性があり、O157対策のため十分な加熱処理 (肉の中心部で75℃1分以上) が必要な旨の記載が義務付けられています。
特に(c)インジェクションは、60~100本程の針が付いた剣山の様な機械で圧力を掛けながらピックル液を注入する加工です。ピックル液は、水、乳化剤、国産牛脂、水飴、食塩、寒天、乳タンパク加水分解物、複合エキス、発酵調味料、アミノ酸等調味料、安定剤 (加工澱粉)、増粘多糖類、pH調整剤等で、ハムやソーセージ等の加工食品で良く使われているものです。現在の加工技術では、和牛霜降り肉と区別がつかないレベルに達しているそうです[5],[6]。
(d)結着・圧着は、ハラミ等の内臓や腹横筋、脂身、すね肉、肩肉等の端肉を集めて食品結着剤で固めたものです。サイコロステーキに、この加工肉が良く使われています。牛横隔膜を数枚張り合わせたものや、全く異なる部位を結着して一枚肉としたり、ブロック肉を結着して形を整えたりします。結着剤にはリン酸塩が含まれるものが多いらしく、骨を柔らかくし退色防止、肉の日持ちを良くする効果もあるため、加工肉に良く使用されるようです[5]。
これらの加工肉は、そもそもが安いただ同然の肉を加工して普通の肉として販売しているところもあるようで、原価を下げ利益を上げる様なことも行われているようです。これらの加工では、どうしても微生物汚染が起きやすく、焼き肉店等で十分焼かずに食べると食中毒を起こす危険があります[5],[7]。
またピックル液には牛脂が固まらない様に乳化剤を添加するのですが、この乳化剤の味をごまかすために化学調味料が加わることがあります。つまり、乳製品のアレルギーがある人が、成形肉を食べるとアレルギーを起こす可能性もあるわけです[4]。
他にも、肉を柔らかくするのに、酵素添加物を加え、その際に化学調味料を加えて味付けをする場合も多いようです。
この(c)インジェクションの様な処理は、フランス料理の”ピケ”と呼ばれる技法にも見られ、子牛肉等の淡白な牛肉にコクを加えるために、ピケ針で脂肪を差し込む処理を行います。
ですから、業者によっては下ごしらえと同じと主張する方もいる様です。
いずれにしろ、成形肉は食中毒を起こす可能性があるため、中まで火を通して食べた方がよいです。

最後に、成形肉以外でも加工食品は世に出回っています。
例えば、スケトウダラや鶏のすり身にエビ風味のパウダー(エビパウダー)を加えて、小ぶりの海老に結着して特大エビのエビフライとして市場に出ている[8]ことがあるそうです。冷凍食品等では原材料に使われているものを確認した方が良いようです。
またネギトロも、マグロの赤身に植物性油脂や添加物を加えたものが多い[8]ようです。もしかしたら、コンビニの手巻き風おにぎりの具とか、そうかもしれませんね。
さらに、アイスクリームは卵黄の代わりにレシチン等の大豆由来成分や牛乳の代わりに植物性油脂を使って大幅なコストダウン[8]を図ったり、インスタントラーメンやラーメンチェーン店では数十種類の添加物を配合してスープを作っている[8]そうです。

[1] 消費者庁. "よくある質問コーナー(表示関係)Q53~Q56". http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/qa/hyoujiqa.html, (cited 2013-11-27).
[2] 川村哲二. "牛脂等注入肉と成形肉の偽装表示に関して(景品表示法)". ::::弁護士 川村哲二::::〈覚え書き〉::::. 2013-11-10. http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-512b.html, (cited 2013-11-27).
[3] 植村幸也. "牛脂注入肉と景表法". 弁護士植村幸也公式ブログ: みんなの独禁法。2013-10-30. http://kyu-go-go.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-d700.html, (cited 2013-11-27).
[4] 原田英男. "原田英男さんによる成形肉などの話". Togetter. 2013-11-7. http://togetter.com/li/587204, (cited 2013-11-27).
[5] Business Journal. "危険な成型肉、菌混入で食中毒も〜隠す焼肉店、牛脂注入、骨弱める添加物、化学調味料…". 2013-11-27. http://biz-journal.jp/2013/11/post_3443.html, (cited 2013-11-27).
[6] 日本経済新聞. "牛脂注入肉って何? 似た技法フランス料理にも". 2013-11-12. http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0805T_Y3A101C1000000/, (cited 2013-11-27).
[7] 回転寿司の真相と食品のカラクリブログ. "成形肉は原価が安く調理手間が要らないので店は二重儲けができる/食品のカラクリ03". 2009-10-9. http://okd-galaxy.blog.ocn.ne.jp/familydayori/2009/10/post_05af-22.html, (cited 2013-11-27).
[8] cyzowoman. "成型肉だけじゃない! こんなにいっぱいある「○○風食品」". 2009-10-11. http://www.cyzowoman.com/2009/10/post_1032.html, (cited 2013-11-27).
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